「に」と「を」の使いわけについて。

講師として受講者の申し送りを書くことがあるが、最近、次の一文が気になります。


●●さんの成長に期待しています。


私はこう書くのであるが、次のようにも書けそうだと気づきました。


●●さんの成長を期待しています。


実際、このように書く人もいます。どちらも意味は通りそうであるが、どう違うのだろうと気になります。


「に」と「を」の使いわけ。気になったので調べてみました。


参考になったのはこのサイト。
https://www.tomojuku.com/blog/shieki/shieki-jyoshi/


自動詞と他動詞で使い方が違うそうです。


他動詞は、「を」をつけて成立する動詞なので、おのずと「に」の使い方は、動作をする主に付きます。


例えば、「私は、彼に ドアを開けさせる」という風にです。


問題は自動詞。自動詞とは、自分が作用する、例えば、「ドアが開く」「電車が動く」といった様にです。


この自動詞に「に」と「を」を適用する場合、意味合いが変わるそうです。


「を」は、強制、または相手の意思を考慮していない場合に使う。


「に」は、許可や放任、または相手の意思を考慮した場合に使う。


という傾向があるそうです。


例えば、風呂に嫌がる子供を入らせた。は、嫌がっている子供に強制している感じがでます。


一方、(そんなに行きたがっている)子供に行かせた。は、確かに許した感じがします。




さて、そうすると


私はあなたの成長を期待している。
私はあなたの成長に期待している。


は、どちらが合っているのでしょうか。これは、この状況の背景によって異なると思いました。


相手が一方的にこの状況を受け入れなければならない場合、例えば上司が部下に一方的に言った場合などは、「を」を使った方が良いと思いました。


一方、相手が、自分で成長したいと思っている場合は、「に」を使った方が良いと思いました。


私が申し送りを書く受講者には、自ら成長したいために参加したという意思があって欲しいと思います。そうすると、相手の意思に考慮した


私はあなたの成長に期待しています。


の方がすっきりすると思いました。


以上が、このテーマにおける私の結論です。


ご参考)自動詞、他動詞ってどういう意味?と思われる方がいると思います。これについて調べたサイトを参考までに貼っておきます。


https://nihongokyoiku-shiken.com/intransitive-and-transitive-verbs-in-japanese/